2007年7月18日

ジャイアンツ完敗 シカゴ・カブス 対 サンフランシスコ・ジャイアンツ

Chi Cubs 12, San Francisco 1
(39-53)
  Final 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
San Francisco 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 6 0
Chi Cubs 0 0 0 4 5 0 0 3 X 12 10 2
Box Score
WP: C. Zambrano (12-7) S: S. Gallagher (1)
LP: M. Cain (3-11)
(49-44)

日本では一度たりともジャイアンツファンだったことはありませんが(^^;)、メジャーではSFジャイアンツはおっさんを中心に魅力的な面々がいてわりと好きな球団です。でもシカゴだと生で見る機会はなかなか無いこともあって、このカードを選んで行ってきました。(1回だけ大昔に見たことがあって、1998かな、サンフランシスコに行った時に見たのですが、そのときはメッツの吉井に抑えられていました。吉井のメジャー行き、もう9年も前のことなんですね、今気がついてちょっと驚きました。)

アメリカは夏休みモードです。水曜日の午後1:20プレーボール!でもかなりの人手でした。
ふらりと行って一番良い席を頼んだら、なんとこの席!リグリーは当日売りで良い席が出ることが結構あるんです。こんなに良い席ですが定価なのでものすごくお買い得。

バックネット裏のここまで前、というのは初めてです。今まで、投球術とか投手戦とかはTV中継とかでないとなかなか楽しめない、と思っていましたが、ここまで良い席だと投手戦も相当楽しめることが分かりました。ストライクゾーンのど真ん中だとかぎりぎりだとかまではなかなかわかりませんが、大ざっぱなコースは当然分かりますし、ボールの変化や投手のフォームについてはテレビに勝るとも劣らず、投手の表情やボールの勢いに関してはテレビより確実に上ですね。すごい迫力でした。

試合前、突然、球場全体が大ブーイングになり、何かと思ったら、ウォームアップから引き上げてくるボンズがグラウンドに現れたところでした。試合前でガラガラにもかかわらず、すごい反響でした。

この日、ボンズは試合に登場せず、これはかなりガッカリ。
さあ、プレーボール。外野は大入りです。1番、デイブ・ロバーツ、沖縄生まれ。

先発はカブスがエースのビッグZ、こと、カルロス・ザンブラーノ。ジャイアンツが若手のホープ、マット・ケイン。ザンブラーノは前半の不調を乗り越え、最近は素晴らしい投球が続いています。ケインはずっとそれなりのピッチングを続けてきているのですが(ここまで防御率3.53)、とにかく勝ちがつかない(3勝11敗)。そもそも迫力に欠けるジャイアンツ打線ですが、ケインの時はとことん援護なし。直近の10回の先発で9敗ですがうち7敗は2点差以内という不運ぶりです。肩入れしたくなります。

4番のダーラムに投げ込むザンブラーノ。

試合は3回まで素晴らしい投手戦でした。ケインはザンブラーノよりも良い出来に思えたのですが、4回二死から2連打とフォアボールで満塁にして、そこから連打を浴び4対0。次の回もピンチを招き、5回持たずあえなく降板。そしてジャイアンツは後続もしこたま打たれて、結局、12対1で、カブスの圧勝でした。カブスはザンブラーノを5回で降板させる余裕ぶり。特にカブファンではない自分としては、後半は少し見所に欠く展開になってしまいました。

でも、両先発の投げ合いはとても面白かったので、以下、思ったことを。

ケインはやっぱり良いピッチャーだな、と再認識しました。いつもと較べて調子がどうだったのか分かりませんが、持ち玉のストレートとカーブ、どちらも素晴らしかったです。カーブが生命線のピッチャーなので、カーブの切れ味が素晴らしいことは予想していたのですが、ストレートの伸びが想像を遙かに超えて素晴らしかったです。スピード表示はザンブラーノや他の今日出たピッチャーと似たり寄ったり、92,3マイルというところなのですが、他の投手の92マイルに較べて迫力はダントツでした。良いフォームでよく体重が乗っていて、失速する感じが全くなく、ミットを叩く音も素晴らしかったです。序盤は本当に素晴らしかったです。

4回に4失点で降板となりましたが、これ、かなりかわいそうな感じでした。2死からの2連打はどっちも詰まった当たり。フォアボールになった球はストライクとコールされても良いようなボール。その後のジャック・ジョーンズの2点タイムリーは、ちょっとイレギュラーした1塁ゴロという感じで、1塁手クレスコが処理できず。普通の1塁手なら捌いているであろう拙いプレーに見えました。ただ、その次の2点タイムリーツーベースはこの日初めてのジャストミート。こういうところで甘めに入ってしまうのは、ケインの集中力が切れたからなのか、両チームの勢いの差なのか。3回二死までノーヒットだったんですけれどね。

そういうわけで、基本的には良いピッチャーだなあ、とほれぼれ見ていたのですが(僕自身が、こういう速球とカーブのコンビネーションのピッチャーが好みだと言うこともあります)、問題点としては、まず、大まかなコントロールは良いのですが、微細なコントロールは無い感じで、フォアボールを減らしたいところ。1球1球の意図は伝わってきてとても好感が持てるのですが。あと、今日気がついたのですが、カーブはかなりスピードがあり、速球との緩急差がそれほどありません。結構、カットされてねばられることも多かったです。微妙な制球力をつけるのが難しいとすれば、もう一つ勝負できる球種を増やすか、あるいはカーブだけでもいろいろ緩急をつけるとかしないと、そこそこの安定感はあるでしょうが、相手打線を圧倒する、という具合に一皮むけるのは難しいのかな?

その点、ザンブラーノは対照的か。このピッチャー、日本人にはあり得ないような手投げというか立ち投げで、固いフォームなんですよね。で、やる気無さそうなフォームなんですが、そこから92マイルの速球も、くったようなチェンジアップも同じ様に出てくる。もう地肩のバカ力だけで投げている感じです。速球はケインほどの迫力は無かったですが、でも重い感じはありますね。ほれぼれするようなフォームでもなければ圧倒するような球を放るって感じでもないのですが、すごく打ちにくそうな感じです。日本人投手にはできないようなピッチングで、メジャーならではですね。(もしこの肩の強さでもって、タイガーズのズマヤのように下半身も使えてくると、一体どれだけスピードが出るんだろう?)

ザンブラーノのフォームはふざけているみたいなのですが、ベースボールプレーヤーとしては見ていて面白い選手です。でっかいし、投球テンポは良いし、すぐ興奮して熱くなってくるのも見ていて楽しい。デイブ・ロバーツのセンター返しのライナーを素手で取りに行ってアウトにした時は球場がどよめきました。打席でも、送りバントとバスターを交えてきたりしてすごい存在感だったし、0点に抑えてベンチに引き上げる前に天に感謝のポーズも定番です。

ザンブラーノの投球フォームのスローモーション。ピンチでの投球フォームも、ウォーミングアップのキャッチボールのフォームも大して変わりません(笑)。

なんでこれで150kmが投げられるんだ?!
こっちはケインのカーブです。(ファイルが重いので、見れなかったらごめんなさい。)

85マイルとかでもブレーキングボールっていうのかな?

ジャイアンツは本当に勢いがないですね。4回も5回もここぞというところで、拙い守備で失点しました。クレスコのエラーもどきについては書きましたが、3塁のフェリスも3塁ゴロを2塁打にしてしまうし、先発マスクのGロドリゲスに至っては、ポロポロやりまくって、フォアボールで出塁したランナーを生還させてしまいました(記録上は1つWP,2つパスボール)。そこでボウチーが出てきて、「お前、ボール見えてんのか?」とか言って(想像ですが)、5回で交代しちゃうし、何やってんだかな、という感じで、集中力がないというか、勝てる雰囲気がないというか。。。カブスは今年は元気で、首位争いってことで、主砲をケガや出場禁止処分で欠いているにもかかわらず、そこここで集中力が感じられました。

ザンブラーノから派手な三振。4番クレスコ良いとこ無し。

カブスファンは大喜び。自分としては後半は散漫でしたが、でも最後の観戦はとっても満喫できました。

明日、もし時間の都合がついたら今日見れなかったボンズやビスケルを見に来たいと思いますが、ちょっと難しいかな。

PS 大リーグでは日本と違って観客が取ったファールボールは全部プレゼントと言うことで回収されたりしないというのはご存じの肩も多いと思いますが、なんとボールだけでなくバットもお持ち帰りなんですね!!ソリアーノがファールを打った時に、バットが手からすっぽ抜けて、なんとそれがヒュルヒュルとベンチのはるか上まで飛んでいき、それを取ったラッキーなお客さんは周りの観客からスタンディングオベーション!うらやましいけど、でも回転しながら飛んでくるわけだし、ましてやそれが折れたバットだったりしたらかなり恐いかも。

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