2007年5月3日

不人気レンジャーズ。 テキサス・レンジャーズ 対 ニューヨーク・ヤンキース

NY Yankees 4, Texas 3
(11-14)
  Final 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
NY Yankees 0 1 0 1 1 0 0 1 0 4 8 1
Texas 0 1 0 0 1 0 1 0 0 3 8 2
Box Score
WP: L. Vizcaino (2-1) S: M. Rivera (2)
LP: J. Benoit (0-1)
(10-17)

テキサスはテキサス・レンジャースの本拠地、アーリントンにやってきました。沿岸部のヒューストンから車で内陸へ4時間、ダラスとフォートワースという大きな2つの都市の中間にあります。朝知ったのですが、レンジャーズ対ヤンキーズの前日のゲームが雨で中止になり、最終日の今日、突然ダブルヘッダーになりました。しかも嬉しいことに、今日のチケットをもっていれば、2試合両方観戦できるとか!(こういう突然翌日に決まるダブルヘッダーの場合、観客総入れ替えではなくそういう風にしちゃうことが結構あります。)というわけで、午後は少しダラスでも観光するかと思っていたのですが、まっすぐ球場へ向かうことにしました。

無事、到着。(Rangers Ballpark in Arlingtonという長ったらしい球場名)。途中、激しい雷雨に巻き込まれ天気を心配しましたが、到着する頃には青空ものぞいていて一安心。
まずは球場内をぐるっと一回り。ダブルヘッダーのためか、試合前の練習はなくて残念。
球場はこんな感じです。ここはメジャー屈指の打者有利な球場。比較的狭いですし、標高もヒューストンよりは高いし、乾燥しているし、ファールゾーンも狭い云々。

センター後方にボックス席の並んだ建物が並んでいるのが特徴的。強い日差しを避けるため屋根のある席が多いのはならではか。個人的な好みとしては、フィールドが近いのはとても良いですが、周囲をぐるっと高く囲まれていて空が狭いというか、開放感に少し欠けるのが難点かな。ま、これだけ暑いテキサスではその方が良いのかもしれませんが。

さて、予想していたとおり、試合直前になってもガラガラです。急に決まった平日のデーゲームであまり人気のないレンジャーズじゃあ、仕方ないか。ベンチ横やバックネット裏もあんまりにガラガラなので、思い切って勝手に席を移動することにしちゃいました。何か言われたらどけばいいかと。バックネット裏の1,2列目も行こうと思えば行けた感じでしたが、さすがにそこまではする勇気が。。。(^^;

と言うわけでこんなに良い席に来ちゃいました。ニューヨークやボストン、シカゴではあり得ない現象です。周りの人々は勝手に移ってきたのかちゃんとその席の券を持っているのか、不明。
さあ、試合開始!それにしても暑い。ヒューストンほど湿度は高くないし、気温は30度強といったところなのですが、テキサスの日差しは脅威です。

ヒューストンには屋根がありましたがここはありません。盛夏には40度を超える中でプレーするとか。ひえー。
若松コーチ!一時期は監督候補に名前が挙がってましたね。

ところで、試合開始後、まず驚かされたのはヤンキーズへの歓声の大きさでした。いつも書いているとおり、MLBでは日本と違い球場の観衆はほとんどが地元チームのファンです。ビジターチームのファンも人気チームの場合にはいることはいますが多くはありません。シカゴでホワイトソックス対ヤンキース戦を見にいっても、ヤンキーズファンの多さに驚きはするのですが、それでも2割もいないと思います。しかし、ここレンジャーズの本拠地では球場の大歓声の大半はヤンキーズへ!これはショックでした。不人気弱小チームでも地元ではあたたかい声援に後押しされてプレーできる、ってのがMLBでは普通だと思っていたので。。。ヤンキーズの好プレーの度に球場全体から拍手がわきます。レンジャーズの選手としては忸怩たるものがあるでしょうね。レンジャーズの選手が好プレーをしてもほとんど無反応...もちろん、ヤンキーズの選手にブーイングを送り、レンジャーズに Let's go Rangers!!と声をからす若者ファンもそれなりにいましたが、打席にたったジーターへの歓声にすべてかき消されてしまう、というのが現実でした。

僕は普段、どちらのチームにもそれほど肩入れせずに、なんとなく程度にホームチームを応援しながらプレーを楽しむ、というのがモットーで、別にアンチヤンクスとかいうのもそれほど無いのですが、今日だけはいつもと別で、無性にレンジャーズを応援したくなってしまいました。地元で声援を浴びれずとも強豪相手にひたむきにプレーする選手は格好いいもんです。それに、確かにレンジャーズは低迷久しいとはいえ、大リーグを代表する選手がゴロゴロいます。すごい実績のベテラン、頼れる中堅選手、絶好調の若手、良いチームだと思います。ピッチャーが苦しいんだけどね。

テキサスで頑張っているサミーソーサです。
写真はAロッドです。4月は大爆発でしたが今日は「すごい!」という感じがもう一つありませんでした。そろそろ落ち着いてきたのかな?

ところで、ヤンキーズの選手の中でもとりわけ歓声が大きいのはジーターでした。ここはヤンキースタジアムか、っていうくらい。なんでそんなに人気があるんでしょう?その次に盛り上がるのはAロッドですね。もっとも彼の場合レンジャーズにいたこともあり、かなりのブーイングも混じっていましたが。ちなみに、松井やポサダ、リベラなんかにはさほどの声援はありませんでした。決して、ヤンキーズのことをよく知っているコアなファン、って感じではないんですよね。

ペティットです。
ペティットのフォーム。
用足しついでにバックネット裏の方へ行ってみました。ネットが邪魔だけど、なかなかの迫力。
ファールチップが直撃し苦しむ主審と、それを遠くから見守る松井秀喜。(だからなんだw)
西部らしくレンジャーズのマスコットはウマでした。ひひーん。メジャーのマスコットにありがちなわけのわからなさがなく、日本にいてもおかしくないような優等生的なキャラ建てが、つまらんといえばつまらん。
回の合間のイベントもごく普通な感じ。テキサス娘がTシャツをファンに投げ入れています。もうちょっと独自色が出せないもんかなあ。本気でファンを増やそうとしているのかしらん。

セブンスイニングストレッチでは、昨日のヒューストン同様、take me out to the ballgame の後にテキサスの歌を歌ってました。同じ歌です。噂に聞いていたとおり、テキサス人のテキサスへの愛着は相当のもののようです。(カブスの試合でみんなでイリノイ州の歌を歌うとかありえません!)
怪我から復帰後を調子を上げてきた松井。今日は2安打、2打点の活躍。
中継ぎのファーンズワース。防御率はさておき、球はめっぽう速い。99マイル!
守護神、マリアーノリベラ登場。今年はピリッとせず、ここまで防御率9.35。
全部同じ球種?
1点差でしたがリベラに簡単に3者凡退に抑えられてしまいました。声援の差かな?!くやしいがしょうがない、2試合目に期待しよう。
試合終了後、用足しに行って戻ってみると、突然の大雨に目が点。。。
南国のスコールなんだからすぐにやむだろう、という思い空しく雨脚は強まる一方。雷が球場を立て続けに直撃し、バケツをひっくり返したような土砂降り。2試合目の時間が近づいてきても一向に弱まらない雨脚に少し弱気になりますが、周りのテキサスのファンはみんな悠々とご飯を食べたり騒いだりしているのを見て、ちょっと安心。我々もご飯でも食べながら気楽に待つことに。
ナチョ・スプリーム。パリパリのトルティーヤの上にチーズだのひき肉だの野菜だのが乗っています。アメリカの球場ではわりと一般的ですが、しかしここのはデカい!
ニンニク風味のフライドポテト。これもでかいっ!こんなに食えるかっ!

球場の食べ物というと高くて少ない、というのが一般的ですが、ここは「高くてやたら多い」って感じでした。僕らはこの2品で完全にノックアウトで降板。

周りのみなさんも本当に横に大きいです。シカゴは横に大きい人とスリムな人とどちらもいらっしゃるのですが、ここでは子供を含め老若男女すべてがでかい!(特に横に)
他の多くのMLBの球場同様、オリジナル・メニューはあんまりありませんでしたが、唯一見つけたのはこれ。ナチョスのチップスがなんと赤と青のレンジャーズ色になっています。素晴らしい!アメリカ人、テキサス人の美的感覚はやはりこうでないといけません。この球場で3試合見ましたが、1回も試しませんでした。
地元ファンはほとんど帰る様子が無いので、我々も疑心暗鬼で待っているとなんと陽が差してきました。アナウンスでは何事もなかったかのように選手紹介が。30分ほど開始が遅れましたが、大歓声とともに問題なくプレーボールです!

第2試合

NY Yankees 5, Texas 2
(12-14)
  Final 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
NY Yankees 0 2 0 0 0 0 2 0 1 5 11 0
Texas 0 0 0 1 0 0 0 1 0 2 8 1
Box Score
WP: M. Mussina (1-1) S: M. Rivera (3)
LP: R. Tejeda (3-2)
(10-18)

ナイトゲームのヤンキーズ戦ということで大入りです。半月ほど前に前売り券を買った時も良い席はほぼ売り切れていたため、外野からの観戦です。(というわけで、写真は少しだけです。)

ヤンキーズの先発はマイク・ムッシーナ。テレビで見るのと同様ちゃんと屈伸運動していました。ランナーを背負うと投球動作の前に深々とお辞儀するんですよね。あれ、なんのためにするんでしょう?やっぱり股間からランナーをチェックしてる?!

ナックルカーブとかは外野からじゃやっぱり分かりませんでした。
イニング前の外野手のキャッチボールの相手はなぜか女の子です。(意外と肩が強いのでビックリ)。嬉しそうな松井秀喜?!
ティシエラのHRで花火が上がります。
1戦目に続き、レンジャーズには厳しい試合展開ですが、最終回の表には最後の望みを託し大塚を投入!

でも、あれ、なんか声援が全然無いぞ...
楽しみにしていた大塚登板でがぜん盛り上がるぜー、という我々をよそに、大勢のファンが帰っていきました。おーい。テキサスの野球ファンって。。。

大塚、格好いいですね。でもこの日はヒット2本を許し1点を献上してしまいました。良いボールもあったんだけど。。。これで勝負あった感じでした。

大塚が三振を取るとバッククリーンにはこんな表示が。こんなの出されたってアメリカ人にはわからないですよね。でも、レンジャーズファンならみんな知ってるのかな?

結局、最後はマリアーノリベラがピシッとしめて今日2セーブ目。ムッシーナは今季初勝利。ヤンキーズの連勝という結果になりました。ヤンキーズもここのところ好調というわけではなく、レンジャーズ投手陣が案外好投したこともあって最後までどちらが勝つか分からない展開でしたが、レンジャーズは勝負所でことごとく弱かった。ストレスがかなり溜まりました。でも、同時にかなり試合を楽しめたのも事実でした。力を抜いていろいろな選手の良いプレーを堪能するというのもいいですが、こうやって1つのチームに肩入れして声を大に声援を送り、強い相手と接戦を演じてくれて、っていうのはちょっとしたカタルシスですね。久々に試合に感情移入して楽しめました。レンジャーズの逆転勝利、となれば最高の一日だったんだけどな。

PS 翌日はレンジャーズとトロントブルージェイズの試合を観戦しました。金曜日だったにもかかわらずヤンキース戦と較べかなりすいていましたが、さすがに声援のほとんどはレンジャーズへのものだったので一安心しました。

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